USB端子の上下を判別する能力でバトル!
星屑はくずかごへ
唐草あひるは、幼馴染の枸橘赤猫に追われていた。
赤猫は、校内の能力者を暴き、管理下に置くことを目的とする非能力者の組織、保健委員会の一員だからだ。
一年前の流星雨の夜、一部の人々にある能力が宿った。
後にダストと呼ばれるその能力は、流星雨が降り注いだその瞬間の願望を叶えるものだった。
だが、ある一瞬の願望が、その人物にとっての恒久的な願いであるとは限らない。
しかも、強すぎる願いはコストが大きすぎて発動しないのだ。
残ったのは、専一でくだらない能力ばかり。
屑(ダスト)と呼ばれるのも仕方がないと言えた。
その日、あひるが逃げ込んだ場所は、能力者による自治を目指す組織──美化委員会の会室だった。
そこにいたのは、美化委員長の御堂春太郎。
〈USB端子の上下を判別する能力〉を持つ彼との出会いが、あひるの運命を徐々にねじ曲げていくのだった──