白慨　揶揄

妖怪には絶対のルールがあった。 人間の記憶に残らなければ、種族が消え――人間に見られれば個人が消える。 理不尽なルールの中で生きていた。 『狐族』と『狸族』 人を化かすことが得意な二つの種族は、隣接する地に住みながらも争いを繰り返し、互いに関わらないことで平和を保っていた。 狐族の落ちこぼれ少年――イキツは、過去に『人間界』で見た花火に魅入られ、自分で作ることを目標にしていた。 そして、彼を優しく見守る狸族の天才――リノタ。 人間界に向かうことになったイキツは、花火の作り方を学べると喜ぶが、その裏では狸族の暗躍が始まっていた。 イキツは無事、花火を作ることが出来るのか――？ 妖術バトルの始まり始まり

『十荷生工業高校《じゅうにしょうこうぎょうこうこう》』――通称、『トニコウ』の教師として生活する黒崎　朱音。 彼女の影には自らを『ザ・ダーク』と名乗る正体不明の化け物が住んでいた。 日常となりつつあるダークと不良の喧嘩。 そんなある日のこと。 不良達が全員休む日があった。不審に思っていると、校庭に新たな化物が現れて――。 黒と赤。 互いに二つの色を持つ二人が相棒となり、異形バトルを繰り広げる！！

デザイナーを夢見る青年、静谷(しずや)　初音(はつね)。 静寂を好み、他者との関係を拒み、卑下する初音。 ある日アパートの階段で一人の男とぶつかる。 その男の名はハル。 常に頭に『音』が鳴り続ける青年だった。 初音に触れることで『音』が消えることを知ったハルは、添い寝と引き換えにある条件を出すのだった。

『キャラが勝手に動くと作者達は言うだろう？　それは、キャラが本当に生きているからなんだよ』 　高校三年生になる今子(いまこ) 通(とおり)は、ある日、この世界とは別に『物語の世界』があることを知る。 　物語には当然、主人公がいてモブキャラがいる。モブキャラとして生み出された存在が主人公になるためには、人間の身体を奪い――成り代わるしかなかった。 　火鼠(かそ)に憑りつかれた今子は、「主人公を目指す」という火鼠の意志に賛同し、共に行動することを決意する。 　変化していく生活の中、幼馴染の伊達(だて) 梵(そよぎ)から、不登校になった同級生――白鳥(しらとり) 天里(あまり)を助けて欲しいというお願いが舞い込んだ。 　白鳥 天里も憑りつかれていると感づいた今子は、彼女を助けるために動き出す。